太陽光発電で光熱費を0円にすることは可能なのか?
太陽光発電は余った電気を売って利益を出すことができます。そこで「常に電気をたくさん作って売電し続ければ、家の光熱費を実質0円にできるかもしれない」と考える人もいるのではないでしょうか。ここでは、太陽光発電で光熱費を0円にすることは可能なのか説明していきます。
太陽光発電で光熱費0円にすることは可能なのか
太陽光発電で家のすべての電気を賄えている状態を保つことができれば、光熱費を0円は不可能ではありません。
しかし実際には、太陽光発電は夜間や雨の日など、太陽が出てない日は発電ができません。気象条件の影響を受けるため、光熱費を0円にするのは現実的に難しいといえます。
太陽光発電で光熱費を0円にするのは難しい理由
太陽光発電で光熱費を0円にするのが難しい理由について、具体的に見ていきましょう。
太陽が当たらないと発電できない
太陽光発電はその名のとおり、太陽のエネルギーによって電気を作り出すシステムです。太陽が出てない夜は発電できません。また、曇りや雨の日など、太陽がほとんど出ない天気になると発電量は大幅に下がります。
晴れの日の発電量を100%とすると、曇りや雨の日の発電量は50%以下になります。このように、1日のすべての電気を賄うための電力を発電し続けることができないため、光熱費を0円にするのは難しいといえます。
太陽光発電は電気を溜められない
太陽光発電には電気を溜める機能はありません。従って、昼間に太陽が出てどんなにたくさん発電をしたとしても、発電した電気はそのときに使うための電気でしかありません。発電のタイミングで余った電気を売電することになります。
また、夜間は発電できないため、蓄電池をセットで所有していない場合には電力会社から電気を買うことになります。
売電価格が下落している
「夜間は発電できないとはいっても、晴れた日の昼に売電で得た利益を差し引くと光熱費は実質0円にできるのでは?」と考える人もいるのではないでしょうか。残念ながら、売電の1kWhあたりの価格は年々下がり続けています。
売電を行うためのFIT制度(固定価格買取制度)が始まった2012年は1kWhあたり48円でしたが、2021年には1kWあたり19円まで下がっているのです。このため、昼の売電で得る利益と夜の電気代の差額で光熱費を実質0円にするのも難しいといえます。
太陽光発電で光熱費を0円に近づける方法
太陽光発電で光熱費を0円にするのは難しいものの、光熱費を0円に近づけるための方法はあります。どのような方法があるのかを見ていきましょう。
蓄電池とセットで使う
太陽光発電には電気を溜める機能がありません。そのため、電気を溜める蓄電池とセットで使えば光熱費を0円に近づけることができます。
昼間に太陽光発電で作った電気を蓄電池に溜めておけば、夜間に使うことができます。夜間に使う電気を購入する必要がなくなるため、節約につながるでしょう。
オール電気にする
光熱費としてかかる金額は電気代だけではなく、ガス代も含まれます。そこで、家電を一新してオール電化にすることで、ガスの消費をなくし節約が可能です。
ガスコンロはIHクッキングヒーターに、ガス給湯器は電気給湯器に変えれば、太陽光で発電した電力を有効的に使うことができます。オール電化にすればガス代は0円となり、光熱費は買電でかかる費用のみとなります。
夜間の電気代が安くなるプランがないか検討する
太陽光発電は夜に発電できないため、夜は電気を電力会社から買うことになります。夜の電気代を減らすために、夜間の電気代が安くなるプランがないか検討してみるのもいいでしょう。
また、電力を消費する炊事洗濯は太陽光発電が動いている昼中に済ますことができないかを検討して、なるべく夜に電気を使わずに済む工夫をするのもいいでしょう。
売電しやすい環境にする
光熱費を0円にするためには買電を抑えるほか、売電しやすい環境を作って利益を出すことも重要です。
太陽光発電の売電の仕組みは、発電中に自家消費を超えたぶんの電気を売電するというシンプルなものです。そのため売電状況に異常があれば、すぐにわかるでしょう。昼間の売電状態をパワーコンディショナーのモニター画面やランプなどを確認して、売電がしっかりできているか確認してみましょう。
「使用電力はいつもと変わらないのに、売電が少ない」「充分に発電できているはずだが、売電できていない」など、異常を感じた場合には業者に相談してみましょう。
太陽光発電で光熱費を0円にすることは難しいですが、工夫次第で光熱費を0円に近づけることは可能です。まずは、太陽光発電が稼働している時間帯に効率的に電気を使って、稼働していない時間帯は電気の使用を抑えることから始めてましょう。
さらにコストダウンを図りたい場合には、プランを見直したうえで、蓄電池やオール電化の導入も視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか。