世界各国における太陽光発電の導入状況について紹介!
近年では世界的にも太陽光発電がますます注目されています。太陽光発電は太陽の光エネルギーを電力に変換するため、持続可能な社会に貢献できます。海外ではドイツや中国をはじめとして、太陽光発電を積極的に導入してきました。この記事では、世界各国や日本における太陽光発電の導入状況について紹介します。
ドイツと中国を中心とした太陽光発電の普及状況
地球温暖化が進んでいる背景もあり、世界では再生可能エネルギーの導入が注目されてきました。とくにドイツと中国は、太陽光発電の先進国といわれています。
ここではドイツと中国を中心とした、世界での太陽光発電の普及状況について説明しましょう。
環境先進国ドイツでの普及状況
以前からドイツは環境保護への意識が高い国であり、環境先進国といわれています。太陽光発電の導入は世界でもっとも進んでおり、2000年に太陽光発電の固定買取制度も導入されました。2023年には、太陽光発電の年間導入量が、当初の目標の9GWを突破しています。ドイツ南部にあるバイエルン州には、大規模な太陽光発電産業の見本市も毎年開催されています。
また、バイエルン州は農業用の広い土地があることから、多数の太陽光発電所が設置されてきました。住宅や倉庫の屋根にも太陽光パネルが設置されています。ドイツは太陽光発電を重要なエネルギー源として、今後も普及を進めていく方針です。
中国での普及状況
中国では、国家事業として太陽光発電を推進しており、ドイツの次に太陽光発電の導入が進んでいる国です。以前よりも太陽光発電設備の設置コストが低くなったため、中国での導入が急激に増加しているのです。また、中国企業が提供する低コストの太陽光パネルは、世界市場でも大きなシェアが占めています。
各国の導入状況
いまや脱炭素化は地球環境のために欠かせない課題であり、世界中の経済活動を左右しています。チェルノブイリや福島第一原発で事故が発生したこともあり、さまざまな国で脱原発が進められてきました。数ある再生可能エネルギーのなかでも、太陽光発電は有力なエネルギー源として世界中が注目しています。
経済大国であるアメリカでも、太陽光発電の導入が進められています。2035年までに太陽光発電がトータル発電量の2割を占める見通しです。さらに、アメリカ大統領・バイデン氏が気候変動対策に力を入れていることも相まって、太陽光発電へのニーズを高めています。
経済成長が目覚ましいインドにおいても太陽光発電が推進されており、今後も発電事業が拡大し続けると予測されています。
サハラの太陽をヨーロッパのエネルギーに
アフリカ大陸には広大なサハラ砂漠が広がっています。そこで、サハラ砂漠に太陽発電設備を設置して、電力をヨーロッパの国々に供給する計画があります。
ここではサハラ砂漠での太陽光発電について説明しましょう。
サハラ砂漠の特徴を生かした大規模計画
アフリカ大陸北部に広がるサハラ砂漠は、太陽光が降り注いでいます。そこで研究されてきたのが、サハラ砂漠に大規模な太陽光発電設備を設置して、電力をヨーロッパに送る計画です。地理的にもサハラ砂漠はヨーロッパに近く、高圧直流ケーブルを使って供給できます。
また、サハラ砂漠には人がほとんど住んでいません。サハラ砂漠の地理的なメリットを生かした計画として、多くの研究者たちが研究しています。
実現に向けた課題
サハラ砂漠で生まれた電力をヨーロッパに送る計画は、いくつか課題もあるのが現状です。まず砂漠に太陽光発電設備を設置するためには、多額のコストがかかります。
また、太陽光発電設備の設置について、周辺の国々との政治的な調整も避けて通れません。これらの課題はあるものの、計画が実現すればヨーロッパの電力の多くをカバーできると期待されています。
日本の太陽光発電
海外で導入が進んでいる太陽光発電は、近年では日本国内でもますます注目されています。ここでは日本での太陽光発電の導入状況について説明します。
低いエネルギー自給率
エネルギー資源に乏しい日本は、先進国のなかでもエネルギー自給率が低い国です。長年、化石燃料を海外から輸入し続けてきました。
しかし、ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受けるなど、海外からのエネルギー資源の輸入は国際情勢に大きく左右されます。近年ではESGやSDGsの観点からも、日本では太陽光発電が注目されています。
FIT制度導入が追い風に
日本では2012年に始まったFIT制度により、急速に太陽光発電の導入が進んでいます。FIT制度とは、発電した電気を電力会社が一定価格で買い取る制度です。太陽光発電の設備容量は、約10年間でおよそ12倍まで増加しました。今後も日本では太陽光発電が推進されると期待されています。
まとめ
今回は世界各国における太陽光発電の導入状況について紹介しました。日本が長く輸入してきた化石燃料は、いつか枯渇すると予想されています。そのため、化石燃料以外のエネルギー源を確保しなければなりません。また、地球温暖化が進み、脱炭素社会の実現が求められています。太陽の光エネルギーを電力として利用できる太陽光発電は、日本でも今後ますます普及することが見込まれています。