マンションやアパートのベランダで太陽光発電はできる?必要なものは?
「太陽光発電に興味があるけれども、一戸建てではないから太陽光発電はできない」そのように考えていませんか。実は、マンションやアパートのベランダのように限られた場所でできる太陽光発電があるのです。今回は賃貸のベランダで太陽光発電を行うメリットやベランダ太陽光発電の経済効果、必要なものなどについてまとめます。
賃貸のベランダで太陽光発電を行うメリット・デメリット
賃貸のベランダで太陽光発電を行うとどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれについてまとめます。
メリット
ベランダで太陽光発電を行うメリットとして、以下のようなことが上げられます。
・消費電力の一部を補える
・停電時に最低限の電力を供給できる
・子どもたちへの教育的効果がある
1つ目のメリットは家庭で消費する電力の一部を補えることです。発電容量によりますが、スマートフォンやイヤホンといった消費電力が大きくない電化製品の充電が可能です。
2つ目のメリットは停電時に最低限の電力を供給できることです。冷蔵庫やレンジなどの電化製品までは動かせませんが、スマートフォンなどであれば充分充電が可能です。災害時に重要なことの一つが情報の収集です。スマートフォンやラジオを動かすための電力を自前で供給できるのは大きなメリットといえるでしょう。また、蓄電池があれば供給できる電力が増えるので便利です。
3つ目のメリットは子どもたちへの教育的効果が見込めることです。太陽光発電やSDGsについて学校で習ってきますが、自宅でそれを実践することで知識を自分のものとして消化しやすくなります。
デメリット
デメリットは以下のとおりです。
・発電量が限られる
・季節や天候、ベランダの形状によって発電量にばらつきがある
1つ目のデメリットは発電量が限られることです。戸建て住宅の屋根に設置する場合と異なり、ベランダの場合は設置できる太陽発電パネルの数や大きさが限られます。そのため、一定量以上の発電量増加は見込めません。加えて、ベランダが狭ければ発電量がさらに限られてしまいます。そうなると、電気代を削減することは困難であり導入した設備費用を回収できない可能性が高くなります。
2つ目のデメリットは季節や天候、ベランダの形状により発電量にばらつきがあることです。この影響を顕著に受けるのが日本海側です。冬場は連日悪天候が続くことが多く、思った以上に太陽光発電の発電量を稼げません。また、積雪が多いとベランダにも雪が積もってしまい、思うように太陽光パネルを設置できなくなります。
ベランダ太陽光発電で電気代はどれだけ浮く?
太陽光発電の経済効果については、発電量と蓄電池の有無、電力価格などにより意見が分かれます。100kWhの太陽発電パネルを購入しても、日当たりなどの問題から現実の発電量はそれを下回ってしまいます。複数の体験談などから総合すると、月当たり数百円程度の節約というのが現実的な数字ではないでしょうか。もちろん、太陽発電パネルを増設したり容量の大きい蓄電池を使用したりするとより大きな節電効果を狙えますが、ベランダである以上限界があります。
ベランダで太陽光発電を行うために必要なもの
ベランダで太陽光発電を行うためにはどのようなものが必要なのでしょうか。ベランダ太陽光発電に必要なものは以下のとおりです。
・太陽電池パネル
・ソーラーパネル接続用のケーブル
・チャージコントローラー
・蓄電池(バッテリー)
・インバーター
太陽電池パネルは高額なものから手に入りやすい価格帯のものまでさまざまなものがありますが、ベランダに設置することを考慮し、動かしやすく小型のものを導入するのが無難です。充分な広さのあるベランダの場合は、固定型の比較的出力の大きい太陽電池パネルを設置してもよいですが、費用面や重量面で注意が必要です。
チャージコントローラーは太陽電池パネルと蓄電池の間に設置する機器で、過充電・過放電・電流の逆流を防ぐ役割を担います。チャージコントローラーがあるからこそ、安全に太陽光発電ができるといってもよいくらい重要な機器です。インバーターは太陽光発電で生み出した直流電流を家電製品で使用できる交流電流に変換するための装置です。
これらのセットを購入するための費用は最低で数万円、太陽電池パネルや蓄電池の性能が上がれば、より高額になります。機種によっては50万円前後するものもあり、決して安い買い物ではありません。ベランダ太陽光発電にはじめてチャレンジするのであれば、数万円の初歩的なセットから始めるのがよいでしょう。
まとめ
今回はマンションやアパートのベランダで行う太陽光発電についてまとめました。ベランダ太陽光発電のメリットは消費電力の一部を補えることや停電時に最低限の電力を供給できることなどです。デメリットは発電量が限られることや季節や天候によって発電量にばらつきが見られることです。経済的効果に限れば、あまり大きいものではないので過度な期待は禁物です。初期費用は数万円から数十万円かかりますが、はじめてであれば最初から高額な設備を購入せず、効果を見極めつつ機器を更新したほうがよいでしょう。