太陽光発電は、地球にやさしいエコで発電できるシステムであり、光熱費削減のために導入される方は多いのではないでしょうか。しかし、太陽光発電は、太陽光エネルギーのすべてを電気エネルギーに変換できるわけではなく、必ず発電ロスが発生してしまいます。この記事では、太陽光発電の発電ロスの原因やその対策を解説します。

発電ロスの主要原因

太陽光発電における発電ロスにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、発電ロスの主要原因について解説します。

太陽光の性質上による発電ロス

一般的に太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーは、100％電気エネルギーに変換できません。太陽光発電は、ソーラーパネルで光エネルギーを吸収して直流電力へ変換します。

しかし、太陽光には、紫外線や赤外線などさまざまな波長の光があり、その性質の違いから吸収可能な光には限界があり、発電ロスを0%にできないのが現状です。

また、ソーラーパネルが光を反射してエネルギーが逃げることも発電ロスの原因で、太陽光発電の発電ロスは約80%といわれています。

電気抵抗による発電ロス

太陽光発電システムは、ソーラーパネルだけでなく、ケーブルやほかの機器で構成されています。ソーラーパネルで作り出したエネルギーは、電気回路を通過する際に電気抵抗が発生します。

この電気抵抗も発電ロスの原因のひとつです。太陽光発電システムは、発電時やパワーコンディショナーでの交流電力への変換、送電などで電気抵抗が生じるため発電ロスが起こります。

経年劣化による発電ロス

太陽光発電システムの経年劣化が原因で発電ロスが起こることもあります。ソーラーパネルの耐用年数は約30年といわれていますが、10年、20年と使用していくうちに、耐久性や変換効率は低下していきます。

また、パワーコンディショナーなどの周辺機器は、ソーラーパネルより耐用年数が短いことが多いです。そのため、著しく発電量が減ったと感じる場合は、修理や交換の検討が必要です。

効率を左右する外部要因

太陽光発電の変換効率を左右する外部要因にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、効率を左右する外部要因を解説します。

ケーブルの劣化や破損

太陽光発電システムに使用されているケーブルが、劣化していたり破損していたりすると発電ロスの要因となります。ケーブルは、屋外で風雨や紫外線などの影響により劣化が進みますし、ネズミなどにかじられて破損する可能性がある部材です。

劣化すると電気抵抗の影響で発電ロスが増加しますし、破損すると発電した電気そのものを使用できません。そのため、定期的な点検や交換が必要なのです。

ソーラーパネルに影ができている

ソーラーパネルの表面に影ができていることも、発電ロスが増加する外部要因のひとつです。周辺の建物や木の枝などの影響によって影ができる原因となります。ソーラーパネルは、表面から光エネルギーを吸収しているので、パネルに影が発生すると発電量が減少してしまいます。

また、パネル表面にチリやホコリ、鳥のフンなどが付着していることも発電量が減少する要因となるので注意しましょう。

天候不良

天候不良は、太陽光発電の発電量を大幅に減少させる要因となります。曇りの日は晴れの日の40％から60％、雨の日は10％から20％ほどしか発電できません。

また、夏の強い日差しにより発電量が増加するイメージがありますが、高温になるとソーラーパネルの効率が低下して発電ロスが発生します。気温25度前後が最も発電効率がよいとされていて、四季の中では春が一番太陽光発電に適しているといわれています。

発電ロスを対策するには

発電ロスを抑えるにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、発電ロスの対策方法を解説します。

蓄電池を設置する

太陽光発電の発電ロスを抑えるには蓄電池の設置がおすすめです。太陽光発電で作った電気は一般的に自家消費しますが、消費しきれなかった分の電気は蓄えておくことができません。

しかし、蓄電池を設置することで、消費しきれなかった分の電気を蓄電池に貯められるようになります。そのため、発電量の低い日は、蓄電池に貯めておいた電気を使えるので電気料金を削減することが可能です。

また、電気を貯めておくと災害時の停電でも、電気を使うことができるので災害対策にもなります。

汚れや影がないか定期的にチェックする

一般的にソーラーパネルは、雨で汚れが流れ落ちる設計になっていますが、すべて落ちるわけではありません。そのため、パネル表面に汚れや影ができてないか、月に1回程度定期的にチェックすることが重要です。汚れがひどい場合は、業者にメンテナンス依頼をしましょう。

また、日々の発電量をチェックして把握しておくと、晴天なのに通常の発電量より低下しているなどの異変に気づけます。発電量が低下しているようだと機器の不具合の可能性が高いです。

まとめ

太陽光発電の発電ロスになる主要原因には、太陽光の性質上による発電ロス、電気抵抗による発電ロス、経年劣化による発電ロスがあります。また、太陽光発電の変換効率を左右する外部要因は、ケーブルの劣化や破損、ソーラーパネルに影ができていること、天候不良によるものです。発電ロスの対策として挙げられるのは、蓄電池を設置すること、汚れや影がないか定期的にチェックすることです。

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