太陽光発電の低圧・高圧・特別高圧って何が違うの?わかりやすく解説
太陽光発電設備を導入する際に、低圧と高圧の違いがわからず迷われる方は少なくないでしょう。そこで本記事では、太陽光発電の低圧と高圧、特別高圧は何が違うのかについて詳しく紹介していきます。低圧と高圧、特別高圧それぞれのメリットとデメリットについても触れているので、ぜひ参考にしてください。
太陽光発電の低圧・高圧・特別高圧とは?
太陽光発電は、定格出力によって低圧と高圧、特別高圧の3種類に分類されます。
ここでは、低圧と高圧、特別高圧の違いと、特徴を紹介します。どの種類を選択するかで迷っている方はぜひ参考にしてください。
低圧
低圧は、定格出力が50kW未満の太陽光発電のことです。住宅や小規模な事業者などでの利用が主で、狭い場所にも設置できるメリットがあります。戸建て住宅などに設置する場合は基本的に低圧となります。
高圧
高圧は、定格出力が50kW以上1,000kWの太陽光発電設備を指します。これを大規模発電とも呼び、法律では「自家用電気工作物」として分類されています。
高圧の設備には、低圧とは異なり、使用にあたっての基準適合を維持するための維持管理や安全規定の作成と提出、さらに管理技術者の届け出が法律で義務付けられています。主に中規模のオフィスビル、工場、商業施設などで利用されています。
特別高圧
特別高圧は、定格出力が2,000kW以上の太陽光発電のことです。メガソーラーとも呼びます。特別高圧では、高圧で定められている義務に加えて、設置工事の30日前までに工事計画届出書を提出しなければいけません。住宅に設置されることはなく、大企業が利用するケースが主です。
低圧・高圧・特別高圧のメリット・デメリット
低圧と高圧、特別高圧にはそれぞれ異なったメリットとデメリットが存在します。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。
低圧のメリット・デメリット
低圧のメリットとしては、ほか2つと比べて設置費用が安く済むことや導入の敷居が低いこと、設置時に届け出の提出が不要なことが挙げられます。
反対にデメリットとしては、初期費用や運用コストは安く済むけれど定格出力1kWあたりの費用が高くなることが挙げられます。初期費用よりも単位あたりの生成できる電力量のコストを重視したいのであれば、高圧を選ぶことを検討してみるとよいでしょう。
高圧のメリット・デメリット
高圧のメリットとしては、生成できる電力量が多いことや低圧と比べてコストパフォーマンスに優れている点が挙げられます。
反対にデメリットとしては、初期費用・運用コストがかかることや運用・設置が低圧と比べて複雑なことなどが挙げられます。生成できる電力量や生成できる電力量当たりのコスパを重視するのであれば高圧が最適でしょう。
特別高圧のメリット・デメリット
特別高圧のメリットとしては、低圧と高圧に比べてさらに生成できる電力量が多いことやコストパフォーマンスに優れていること、まとまった売電収入を得られることが挙げられます。
反対にデメリットとしては、導入コストや運用コストが高額になることや厳しいルールが存在することなどが挙げられます。高圧では電気主任技術者の外部委託が可能でしたが、特別高圧の場合外部委託はできません。
太陽光発電を導入する際の注意点
最後に導入する時に注意すべき点を紹介します。低圧連系・高圧連系・特別高圧連系ごとの注意点をそれぞれ詳しく紹介するので、導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
低圧連系の注意点
低圧連系を検討する際は、低圧分割は禁止となっていることに注意しましょう。低圧分割とは一か所の土地に低圧連系の設備をいくつも設置する行為です。
人によってはあえて低圧連系を複数設置し高圧連系のように運用したいと考える方もいるかと思いますが、低圧分割と判断されると生成した電力を売却できなくなるので注意が必要です。
高圧連系の注意点
高圧連系を導入するには、設備の導入以外にキュービクル設置費用や電力会社への協議申請などに費用がかかります。低圧連系ではかからない費用がかかるので、導入時には間違えないよう注意して予算を確保しておきましょう。
特別高圧連系の注意点
特別高圧連系を導入する場合、電気主任技術者を外部に委託できなくなる点に注意が必要です。高圧連系では電気主任技術者を外部に委託できましたが、特別高圧連系となると、必ず自社内で電気主任技術者を用意しなければいけません。
電気主任技術者の有資格者がおらず新たに人材を雇用する場合、トータル運用コストが上がる可能性があります。
まとめ
本記事では、低圧連系と高圧連系、特別高圧連系それぞれの違いについて詳しく紹介しました。太陽光発電は、容量などによって3種類に分類されます。低圧連系と高圧、特別高圧にはそれぞれ異なったメリット・デメリットが存在するため、導入する際はメリットとデメリットの両方を把握した上で、どれを選択するか検討することが大切です。メリットなどの偏った情報だけを見て選択すると、導入後に後悔することに繋がる可能性もあるので注意しましょう。