太陽光発電パネルの維持管理で問題となることの一つに鳥による被害があります。具体的には鳥の糞によって太陽光パネルが汚染される被害や太陽光パネルに鳥が巣を作ってしまう被害などがあります。今回は、太陽光パネルに対する鳥の被害と鳥害駆除のコスト、鳥による害を防ぐための対処法などについてまとめます。

太陽光発電パネルに鳥が住みつく被害が急増中

太陽光発電パネルの設置数が増えるに伴い、鳥害も増加しています。その代表が鳥の糞による太陽光発電パネルの汚染です。鳥は外敵から身を守るため、太陽光発電パネルの隙間に好んで済みつきます。子育てのシーズンになると、巣を構えてしまうことも珍しくありません。では、鳥が棲みつくと何が困るのでしょうか。

もっとも困るのが糞害です。棲みついた鳥や上空を飛来する鳥が太陽光発電パネルに糞を落としてしまうことで、パネルが汚染されてしまうのです。パネルが傾斜している場合は雨が降ったりすると流されるのである程度改善できます。しかし、パネルに傾斜がない場合や降水量が少ない場合、鳥が巣をつくって棲みついいてしまうような場合には糞が処理しきれず、パネル表面にこびりついてしまうことがあるのです。そうなると、発電効率が低下してしまいます。それだけではありません。鳥の糞が長時間パネルに付着した状態が続けば、糞が付着した部分だけが高熱になり火災の原因となってしまいます。また、鳥が持ち込んだ巣材によりパネルが傷つけられることもあります。

さらに、鳥が配線などをつついてしまうことで破損させてしまうといった事故も発生しています。加えて、鳥が棲みつくと衛生環境が悪化してしまいます。不衛生な糞をまき散らしてしまうからです。鳥の羽音による騒音の問題も発生するでしょう。このように、鳥が太陽光発電パネルに棲みつくことでさまざまなトラブルが発生してしまうのです。

鳥害駆除は非常にコストがかかる

鳥による被害を除去するにはどのくらいのコストがかかるのでしょうか。太陽光発電と関係がない一般的な住居の鳥害対策でも数万円は必要となります。巣の撤去程度であればそのくらいのコストで充分可能でしょう。しかし、パネル全体の洗浄や防鳥ネットや特殊なマットを使用するなどの工事が入れば、その分だけ費用が高額となります。費用が高額になる理由は以下のとおりです。

1.高所作業である
2.不衛生な作業である
3.野生動物の捕獲や卵の採取が法律で禁じられている

1つ目は高所の作業となることです。高い場所での作業では、はしごをかけたり足場を組んだりする必要があります。はしごはともかく、足場を組むとなると費用が一気に跳ね上がってしまいます。はしごよりも安全で、足場よりも低コストな高所作業車を使用することが多いですが、それでもはしごより費用がかかってしまいます。「鳥対策や洗浄するだけで、こんなに費用がかかる？」と思ってしまいがちですが、それなりのコストはかかると考えておくべきでしょう。

鳥害・糞害を防ぐために今すぐすべき対処法

鳥害・糞害を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。代表的な対策は以下のとおりです。

・防鳥ネットを張る
・剣山・プロテクタを設置する
・電気ショックを与える装置を設置する
・忌避剤をまく

防鳥ネットの設置はもっともポピュラーな対策方法です。網をしっかり張ってしまえば、そこから鳥が侵入できなくなるので棲みつくことはできません。しかし、安価な防鳥ネットは耐久性の面で問題があります。一度破れてしまうと、そこから鳥が侵入してしまうので効果がなくなります。

また、設置状態が悪く隙間が発生すると、そこが鳥の侵入口になってしまい効果がありません。むしろ、防鳥ネットによりほかの鳥から守られてしまうので、一部の鳥の楽天になってしまい、糞害がひどくなりかねません。防鳥ネットを使用する際は、長期間長持ちする高品質のものを使用し、専門業者に張ってもらうのがベストです。剣山やプロテクタ、電気ショックを与える装置などの設置もある程度効果があります。設置した部分は確実に鳥の害から守れます。

しかし、屋根のすべての面に設置するのは困難です。こちらも、設置場所や設置方法をしっかり検討しつつ、専門業者に依頼したほうが無難でしょう。忌避剤については散布した直後は効果がありますが、時間が経過したり雨が降ったりすると流されてしまうので、長期間の効果は期待できません。

まとめ

今回は太陽光発電パネルに鳥の巣ができてしまったときにどうするかといった内容を中心にまとめました。太陽光発電パネルに鳥が棲みついてしまうと糞害などにより発電量が低下することや火災発生のリスクが高まることなどのデメリットが発生します。一度、鳥による被害が発生したら自分で対処せず、できるだけ専門の業者に依頼したほうがよいでしょう。また、今すぐできる対処法としては防鳥ネットがもっとも効果的です。これに剣山やプロテクタ、電気ショックといった装置を併用することで一定の効果が期待できます。こちらも、個人で設置するより専門業者に頼んだほうが無難でしょう。

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