日本の太陽光発電普及戦略について徹底解説!
太陽光発電というと、火力発電や原子力発電と違い、自然エネルギーを用いるためクリーンなイメージを持っている人が多いです。また、一般的な住宅にも太陽光発電を導入しているのを見かけることもあるでしょう。そこで今回は、日本の太陽光発電普及の歴史や戦略について解説します。
世界第3位の実績とその背景
太陽光発電は世界的に活用されていますが、日本はどんな立ち位置にいるのでしょうか?世界から見た実績や背景について解説します。
世界3位の実績
日本は太陽光発電の導入が進んでいます。2021年時点で中国、アメリカに次ぐ3位となっています。
1位の中国は10年ほど前まで太陽光発電を導入していませんでしたが、政府が導入促進を促しており、急速に普及してきました。アメリカは、太陽光発電の開発国としての実績や歴史があります。
日本は、1970年ごろから太陽光発電の導入がはじまりました。2009年には、発電して余った電気を買い取る制度が実施され、導入が増加していくこととなりました。
世界3位の背景
日本はなぜ太陽光発電の導入が進んだのでしょうか。はやくに導入されたということもありますが、日本はエネルギー資源に乏しいという背景があります。石油、石炭、天然ガスなどのエネルギー資源は多くを輸入に頼っています。
また、島国であるため陸続きの国家のように国家間でスムーズな電力の売買ができない環境です。
そのため、他国に頼らなくてよい太陽光発電に注力しています。日本は火力発電技術が高い国ですが、脱炭素が叫ばれる中、太陽光発電のクリーンな点が期待を集めているのです。
進化する太陽光発電
太陽光発電は普及とともに進化を遂げています。どのように進化しているのか解説します。
買取価格がダウンする
日本の太陽光発電は売電により導入が大きく伸びましたが、状況は変化しています。今後の情勢に合わせて、太陽光発電も進化していくでしょう。太陽光発電というと、売電で利益を得るイメージがある方が多いかもしれません。
しかし、近年は固定価格での買取が満了になる時期である、それに伴い買取価格が下がっている状況にあります。固定での買取価格が満了になった場合は買取価格が大幅に下がるため、よい条件の事業者を探すのがよいでしょう。
自家消費がメイン
売電価格が下がってしまうため、太陽光発電の活用方法は今後売電ではなく、効率よく自家消費する方向に進化していっています。太陽光発電のみだと日中しか利用できませんが、蓄電池を導入することで昼間の電気を貯めておけます。
それを夜に使うことで、夜間の電力もある程度まかなえるでしょう。電気代やガス代高騰に備え、太陽光発電や蓄電池で自家消費する活用の仕方がメインとなりつつあります。
屋根だけではない設置方法
太陽光発電といえば、屋根や広いスペースに設置されているイメージではないでしょうか。しかし、薄型パネル、ポータブルタイプなど太陽光発電のパネルも進化しています。薄型のパネルは加工しやすく、折り曲げて設置もできるため、平面だけでなく柱やマンションなどにも設置できます。
また、近年は住宅の屋根だけでなく、カーポートの屋根部分に太陽光パネルを設置するというアイディアが取り入れられています。住宅の屋根の色やデザインを損なうことなく太陽光パネルを設置できるため、カーポートの屋根を有効活用できる方法といえるでしょう。
太陽光発電を選ぶ理由
太陽光発電以外にもさまざまな発電方法がありますが、わざわざ太陽光発電導入を選ぶメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
災害に備えられる
日本は地震が多い国なので地震に対する備えが必要です。太陽光発電を設置しておけば、地震や台風などで停電になっても昼間は発電した電気が使用できます。
蓄電池を併用すれば昼間発電しておき、夜間も貯めておいた電気を使用できるので災害時に心強い存在となるでしょう。
冷暖房が必要な時に冷暖房器具が使える、携帯電話やテレビなどが使えるので災害時の情報収集ができるなど安心感を得られるでしょう。
節約になる
太陽光発電は電気を売ることで収益になります。先述した通り電力の買取価格は下がってきているため、大きな利益にはなりにくいかもしれません。
そのため、近年の太陽光発電のメリットは発電した電気を自家消費できることです。蓄電池を併用すれば、夜間も貯めておいた電気を使用できます。電力会社から買う電気を最低限に減らせるでしょう。
また、今後の電気料金やガス料金高騰に備えて電気を自家発電、自家消費するライフスタイルに切り替えることができます。
そして、太陽光発電は二酸化炭素を排出せず、温暖化の原因にならない環境にやさしい発電方法です。化石燃料などの限りある燃料のように、枯渇する心配がありません。
まとめ
太陽光発電は、クリーンなエネルギーとして注目を集めています。日本は他国よりもはやくから太陽光発電導入を推進してきた国です。近年は電気を売って利益を得るというメリットではなく、電気代やガス代の高騰により自家発電、自家消費で節約になるというメリットが大きいです。
また地震が多い日本では災害時、停電になった際に活用できる点も大きな魅力といえます。長期間使うものなので、長期的に見てライフスタイルに合うか、自宅への導入が現実的かなどのポイントを考えて導入するか業者を選ぶのがよいでしょう。